「BOY MEETS GIRL」今週の大江千里

さて、先週の「赤茶色のプレッピー」の記事はいかがだったでしょうか。今週は「BOY MEETS GIRL」です。この曲も本当に好きで好きで。実はこの曲を初めて聴いたのは、デートの直前だったんですね、まさにBOY MEETS GIRLだったなと。誰にも言ったことがなくて誰も知らない話なのであえてここで書いてみました笑(どうでもいいわ)
この曲はアルバム「AVEC」の9曲目に収録されています。先週の赤茶色のプレッピーの記事では、大江千里の6曲目はB面の中では1曲目であるということを意識したのか(わかりませんが)明るいポップな曲が多い、ということを紹介しました。では、今回は9曲目についても少し。これも大江千里に限った話ではありませんが、10・11曲あたりで構成されているアルバムの3曲目には代表曲を配置することが多いと思うんです。「格好悪いふられ方」や「雪の別れ」「さよならも言えずに」・・・でも意外と少ない・・・そうなんです!大江千里の場合は最後から2曲目が勝負曲なことが多い気がするんです!「あいたい」や「きみを求め続ける限り」「YOU」に代表されるシングル曲などがその例です。その他では「BOY MEETS GIRL」「アンコールはしない」「ボーイズ・サミット」などのシングル曲になっていない曲。これらも最後から2番目。曲を聴いたことがある人はなんとなくシングル曲になっててもおかしくないような曲だなと感じる?私だけかな笑
では、イントロから。私は、ベースや特にピアノの低い音がものすごく好きで。この曲のイントロは、ピアノの「シー」からの「チャチャーチャー」と音がなるわけですね。この澄みきったような感じがまた良くて。ジャケットの黄色い感じと歌詞中の「黄金色の雲がおりてく」、そして初めて聴いた時間帯が夕方、まさに「黄金色の雲が降りてきた」時間だったせいか、自然と夕焼けの綺麗な春で、少しまだ冬の名残を感じる時期のスゥッと肌にくるひんやりと冷たいけど心地の良い風を全身で浴びるようなイメージがあります。
それで、この曲のすごいところ、というか私が驚いたところ。それは、曲の中での移調の仕方です。大江千里の曲は「きみと生きたい」や「木枯らしのモノクローム」に代表されるように"イントロとA・Bメロ"と"サビ"の調が違うことが多いです。例えば、「きみと生きたい」ならGキーのイントロ「ソーソーソファ#ソレー」から始まります。#がつくのはファだけ。A・Bメロも同様に。サビの「きみに逢えてから本当の孤独が」の部分で移調して、#はド・レ・ファ・ソ・ラに付きます。こんな感じでサビになって移調する曲があります。簡単にいうとサビの部分を盛大に見せるために、カラオケでいうところのキーをあげるんです。で、「BOY MEETS GIRL」、この曲は、"イントロとサビ(#はド・レ・ファ・ソ・ラ)"と"A・Bメロ(#はファ)"という調の分け方になります。。
声力図のイメージです。さっきの「きみと生きたい」なら「悲しまないで」あたりはまだ低く静かに行ってます。が、だんだん 曲が進んで、「きみに会えてから」の部分で声が上がります。ここがそう、移調の魅力。
「BOY MEETS GIRL」の場合もそう。「遠いグランドに」から始まるあたりはまだ低くゆったりで静か。でも「BOY MEETS GIRL」のところで声が上がる。でもイントロもなぜかサビと同じキーでの演奏だった。要はそれだけの違いです。
じゃあ、イントロもAメロ・Bメロキーに合わせてもいいんじゃないか。ちょっと考えて弾いてみました。上が原曲。下がAメロ・Bメロに合わせたもの。
よーく見るとわかると思いますが下の方が、音符の位置が線一本分下にありますよね。音符は上にある方が音が高いので原曲の方が音は高いです。特にこれといって言いたいことはありません。千里さんが何か意図して作ったんじゃないかって考えるのが楽しいから笑
それでは、また歌詞の方へ移ります。
「BOY MEETS GIRL」=「男が女に会う」、直訳するとこうなります。何かデートの風景なのでしょうかね。歌詞に「鉄塔沿いに並んですわったね」とあります、普通のアベックですよね(カップルではなく"あえて"の表現です)。「電車がくぐる度 きみの声だけ聞きとれない 焦るように後れ毛をかいだ」。声が聞きとれなくて焦って聞き漏らしがあるか不安で緊張してて後れ毛を"かいた"わけではなく後れ毛を"かいだ"なんですね笑 へぇ嗅いだ?かいたではなく・・・聞こえない声だけど距離が遠いわけではない、女の子の髪の匂いが伝わる距離にいることを確かめる、そんな描写でしょうか。
「ぼくたちの青春は誤解で始まった」や「あの日の自由って 粗末すぎるかたちに とらわれない方法だった」。ここはイマイチわからないんですね〜・・・ここ、どう思います?あまり想像したくありませんが、互いに望んで交際してたわけじゃないみたいなね・・・自由に生きていることが粗末な結末やらあり方を回避する手段だったみたいな・・・よくわからん
「まぶたの奥に残っている 背中にふるえていた夢 一生忘れたくない」 ここに出てくる「夢」っていうのが何かはわかりませんが、「ふるえていた」というのを「揺らいでいた」と解釈しまして、どっちにしようかな、もしくは何にしようかな・・・と揺らいでいた夢を、それを一生忘れたくない。これが正解かどうかと問われると7割、間違いだと思うんですが、今自分が大学生という立場(聴いた当初も中高生)にいて、将来のことを想像するとですね、「夢」というのが揺らいでいくわけですね。その揺らいで悩んだ「夢」が一生物になるのか、将来の力になっていくのか。千里さんが私と同じ思いでこの歌詞を書いたのであれば、その「夢」は間違いなく千里さんの人生の中でも重要だったんじゃないかな、一生忘れたくないな、と考えるのがまた楽しくて笑
「黄ばんだ背表紙のアルバムにはさんだ五線紙」「くせの強い文字が汗ににじむ」これは歌詞解釈はしなくてもそのままでいいかと。ただ、ここ、みなさんはどこの場所を想像しますか?学校ですか?家の中?私はなぜか川沿いのどこか土手(芝生やら草)の上を想像してしまうんですよね笑ここら辺もみなさんの意見を教えていただけたらなと。

「きゅうくつなダウンを腰の上で強く結ぶと 「ずっときみは変わらない」と言った」窮屈とは言い切れない絵ですが、ダウンジャケットを腰の上で結んでる絵を描いてみました。これでいいのかな笑
当然ながら人は変わっていきます。でも変わらないでほしいものです。「表面は変わっても人の本質は変わらない。」いつかどこかで聞いたこのセリフ、なるほどなと感じられたら・・・
「別々の仕事で仲間ももう逢えない 何かに追われて同じ区間ラッシュに 争うように もまれてる」この「何か」っていうのがまた。なんというか・・・もやもやした日々を感じさせられます。「ぼーっとしてるといたずらに時間だけが過ぎていくよ」そんなこと言われてる気がして、私も大学生の、まさに今、正体のわからない「何か」に追われて焦りを感じている気分です。
サビの「今でもきみを覚えている 悩んで傷つけあった夢 必ず かなえてみせる」のこの夢ってまさか、一番のサビの「背中にふるえていた夢」のことかな・・・ただ、ふるえてた夢の解釈がうまくいかなかったから「傷つけあった夢」もうまくいきそうにないぞ、こりゃ・・・強い信念の表れです。次の歌詞で決意は固まりますな。
「短い春休みがそのまま続くようさ 変わらぬ理想を 自分だけに恥じない 歩き方で 続けるよ」私的にここが一番好きなんですよ!ここはストレートに受け取ります。ここがさっきの決意の固まる瞬間。これを初めて聴いた時にかなり納得させられて。で、なんとなく三度のBメロは繋がってるように感じてですね。「一生忘れたくない背中にふるえてた夢」→「絶対かなえてやる傷つけあった夢」→「自分だけに恥じない生き方するぞ!」という具合に。最後のBメロを聴いて「背中にふるえていた夢」=「揺らいでいる夢」と解釈しました。夢が揺らいでも、傷ついていても、結局は自分に恥じない、自信の持てる生き方ならそれで良し!だんだん気分上がってきたでしょ?笑 それも楽譜を見てみるとなんとなくわかるので、例をあげてみます。
ベースコードだけ表示しますが、ラシドレとまるで階段のように、一つずつ登っていくわけです。そして、一番の盛り上がりのサビへ繋がります。この階段のようなBメロこそ、聴取者の心を歌詞だけでなく音楽で掴むわけです。一歩一歩前進していく気になったでしょ?笑 さぁ、私も今は春休みですが、そろそろ「短い春休みが終わりそう」な時期です。春のこの季節には良い一曲かもしれませんね。この曲にまた一つ良い思い出が刻まれますように、そしてこの曲を聴いてくれる人が増えてくれますように。明日からもまた頑張りましょう。
BOY MEETS GIRL
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