「六甲おろしふいた」今週の大江千里


 














 
はい。私の勝負曲「六甲おろしふいた」。一番好きな曲です。2週間前に「赤茶色のプレッピー」の記事で、高校に入学したばかりの頃は「赤茶色のプレッピー→六甲おろしふいた→Sexuality→ROLLING BOYS IN TOWN」のプレイリストを一日5回はリピートしていた、と紹介したと思います。その中でもこの曲は"なぜか"好きなんですよね笑 

 中3の冬、高校受験の勉強中に音楽を聴きたいと思い、父が使わなくなった古いパソコンを漁っていたら「大江千里」の欄で手が止まって、聴いたこともないのに「これだ!」と思ってプレイヤーに入れた。これが大江千里との出会いです。ということは大江千里を聴きだしたのって誰にも影響されてないことになるな。まぁ、初めて聴いた曲は「GLORY DAYS」なんですが笑(この曲についてものちに取り上げます)大江千里を知らずに「Rain」を雨の日に車の中で父がかけていたのを聴いてたから、厳密にいうと小学5、6年が出会いとも言いますが・・・

 「六甲おろしふいた」も実は「赤茶色のプレッピー」を初めて聴いた2014年3月27日の電車内で初めて聴いたんです(受験期の話無意味じゃん)。パソコン内あいうえお順に並んでいたため「未成年」と「六甲おろしふいた」は下にあったこともあり、受験期には聴いてなかったんですよ笑 しかもなぜ聴いたのか、それは曲名とアルバムタイトルが同じだから、という変な理由です。「Sloppy Joe Ⅱ」で初めて聴いた「APOLLO」を好きになって、そこからアルバムの「APOLLO」も好きになって、「あー、アルバムタイトル曲はいい曲なんだなー」っていう思いから「六甲おろしふいた」を聴いたんです。そしてたらイントロから痺れましてね。

 ちなみにですが(今回脱線が多いな・・・)、ベストの中では「Sloppy Joe Ⅱ」ってかなり優れてませんか?(て思うのも私くらいなもんか)このベストアルバムが中3当時一番好きでした。好きさ加減を表すとこんな感じです。

魚になりたい ★★★★★
たわわの果実 ★★★★☆
あいたい ★★★★★
APOLLO ★★★★★
YOU ★★★★★
真冬のランドリエ ★★★★★
お願い天国 ★★★★☆
夏の決心 ★★★★★
塩屋 ★★★★★
十人十色 ★★★★★
格好悪いふられ方 ★★★★★
向こうみずな瞳 ★★★★★
雪の別れ ★★★★★
dear ★★★★★
たとえばもっと ★★★★☆
Bedtime Stories ★★★★★
 
 今回の記事とは"全く"関係ないので無視してください。

 では、そろそろ「六甲おろしふいた」曲についてまた、語っていこうかと。

 これがイントロの楽譜です。
 私は邦楽を聴く時は、まずイントロがどんなものか、自分の好みかどうかを結構重視してしまいがちです。この「六甲おろしふいた」のイントロはもう私の好みのド・ストライク。ちなみに私が初めて大江千里の曲でピアノ演奏したのはこの曲なんですね。このイントロは生涯忘れることないと思います。で、このイントロを聴くと、何か燃えるような熱い想いのようなのを感じる気がするんですが、それもそのはず(?)、上の楽譜にCon fuocoていうのがあるでしょ?これは「熱烈に」「火のように」という意味があるそうです。楽譜の解説文には、「『火』という言葉を想像してみると、それは人それぞれあって、どんな火でも良いと思う。メラメラー!!っと燃えて弾いて下さい」とありまして、それぞれ想像する火はあってもそれぞれの炎のように燃えて熱く弾け、ということですね。それに並行して、イントロの途中から徐々にシンセのような音が大きくなってくるんですね。これもここから火がメラメラー!!と燃えていく前兆のようなイメージかもしれませんね。

 私はリアルタイムリスナーではないので、アルバムを順々に聴いていたわけではありません。なので、大江千里といえば「六甲おろしふいた」(ちょっと言い過ぎ笑)として認知してます。が、前作「HOMME」が売り上げ最高・人気絶頂なアルバムなわけで、その次作(先行シングルはありましたが、アルバム単位での話をすると)が「彼女は六甲おろし🎵」ってなんか少し微妙だったのかな、なんて思ったりして・・・それでも"一番"好きな曲ですよ(しつこい)。


 ではそろそろ本題へ。この曲も大江千里のスタイルが感じられる曲でして、コードの進行は簡単にいうと一個ずつ下がっていく(ベースライン:ラ→ソ#→ファ#→ミ→レ…)。「GLORY DAYS」や「吹雪におくれ毛」のサビにしても、「格好悪いふられ方」」にしても、そう、よーく聴いてみるとベースの音が徐々に下がっていく。数々の名曲を生み出した大江千里の王道のポップス曲はこんな感じが多いです。

 それで歌い出し「年明けすぐに 彼氏と住むんだよ」「呼び出しといて結局ノロケかよ」これがまた腑抜けてるんですわ笑 「あの完璧なアルバム「HOMME」の次のアルバム一曲目がこれかよ〜!笑」みたいな。褒めてるんです!色々な言葉に疎く、中学生を卒業したばかりの自分には「ノロケ」がわかんなかったですね。調べるまで「ノロノロ遅刻」かと思ってました。

 「危ないからやめろと言っても きみは荷台に立って身を乗り出すと やっぱりかわいい」どういう心境なんでしょうね。若干呆れも入ってるような気がします。「おいおい危ねーだろ、降りろよ、やれやれ…(呆れ)」みたいな・・・

 「彼女は六甲おろし つむじ風だよ」ここが最大のポイント。「これなんだよ、全く。意味わかんねぇよ!」という感じだったんですが。で、少しとあるブログを紹介させていただきます。「今日はこんな感じ」さんが、「つむじ曲がり」「ツンデレ女子」と表現されています。「あー、確かにそうかも、なるほど」と深く共感させていただきました。「六甲おろし」とは冬季に六甲山地から吹き下ろす北風のことで、つまり冷たいんですね。「ツンデレ女子」も時に冷たい態度で接してくることもあるでしょうし、この解釈は確かに素晴らしいですね。

 「どんな顔で振りむきゃいい Resque Resque 昔付きあってたのに」まぁ、年明け早々呼び出されて、彼氏と住むとか報告されてもねぇ、どんな顔して対応すりゃいいの〜?誰か教えて、助けて(Resque)って感じですかね。

 「いいやつだけど食事が作れない ほんとは違う 金輪際で別れたよ」「ほんとは違う」ってとこに主人公にも「つむじ曲がり」というか「頑固」な部分があるような。表向き友達に「いいやつだったけど、食事作れないから別れてやった」みたいに言っといてほんとは違う・・・的な・・・ 金輪際もここで意味を調べて細かいとこまで知りました。

 「たまに会うと恋人以上だって 妙な連帯感で抱きついといて あっかんべえした」ここにも元彼女の「つむじ曲がり・ツンデレ」な場面が描かれてますよね。

 「彼女は六甲おろし 今日に限って なんか変に意識するよ だってだって 後の祭りのBoogie Woogie」「妙な連帯感で抱きついた」からですかね。意識してもう無駄、遅いよ、後の祭り、ってね。ちなみに「Boogie Woogie」ってジャズ用語ですから、やっぱね、若い時はポップスターとして生きてきた(ジャズは昔からやりたかったとは言ってましたが)けど、ジャズにも・・・後追いリスナーだから色々言えますが、当時のリアルタイムリスナーはここどう思ったのか、タイムマシンがあれば1992年に行ってみたい。

 「きっかけあれば その胸抱きしめたい 上辺な態度じゃ お互い不幸だよ これ以上 これ以上」先ほど紹介しました「今日はこんな感じ」さんのブログにもあるように主人公の心はどんどん揺れ動いていきます。前半は、若干気まづそうで、どうな顔していればいいのかから始まり、意識しだしてしまう、と。

 この次は一番のサビ、二番のサビを繰り返して終わりです。アウトロの一番最後に「Resque」ていうじゃないですか。ここがやっぱり本音だったりしてな。どんな顔して振りむきゃいいのか、ということから、心が揺れ動いてしまったことまで、全部ひっくるめて、「どうしたらいいの、Resque(助けて!)」と言ってるのでは? と考えてしまうわけです笑

 タイトルがタイトルだし、歌詞も歌詞で少し難解なワードが多くて解釈は難しかったです。ただやはり、火のような演奏を心がけ、曲全体も何か熱く燃えていく。高校に入学する前の新鮮で物事に全力で燃えてやってやろうと意気込んでた時には最適だったかもしれませんね。

 千里さんとはジャズライブでちょこっとだけお話しさせていただきましたが、その時に「今度はニューヨークにも来てください」と言っていただいたので、一度は行ってみたいです。あの時はあまりに突然だったので、話す内容や手土産、サイン用の色紙(図々しいですが)何も持ってなかったので、今度は全て念入りに準備をして、私がどれだけ「六甲おろしふいた」に救われたかまで伝えておきたいですね。

 この曲を聴くとやはり初心に返った気持ちになります。学校も始まり、また新たなことに取り組むでしょう。今年もきっと何度もこの曲が初心の気持ちを思い出させてくれ、頑張れると思います。皆さんも、この曲ような、火のように燃えた取り組みで、輝かしい新学期、一年が送られますように。

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